ラップアラウンドラベルの世界市場 2025年

• レポートコード：MRCUM51020SP4 • 発行年月：2025年9月 • レポート形態：英文PDF • 納品方法：Eメール（納期：2～3日） • 産業分類：材料

市場概要
最新の調査によると、世界のラップアラウンドラベル市場は2023年において数億米ドル規模で評価され、2030年までにさらに拡大すると予測されています。予測期間中の年平均成長率は堅調に推移し、飲料・食品・パーソナルケア製品を中心に需要が拡大しています。
ラップアラウンドラベル（全面ラベル）は、ボトルや容器全体を覆うように貼付されるラベルで、ブランド訴求力の強化、耐久性の向上、コスト効率の良さなどが特徴です。プラスチックや紙、金属素材など多様な材料で構成され、飲料や化粧品、医薬品包装において幅広く採用されています。特に環境対応型素材やデジタル印刷技術の導入が進み、市場の成長を後押ししています。
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産業構造と市場動向
本レポートは、ラップアラウンドラベル産業のバリューチェーン全体を包括的に分析しています。原材料の供給から製造、印刷加工、流通、最終用途に至るまで、各段階の技術的・経済的要素が整理されています。
飲料業界では、炭酸飲料やミネラルウォーター、ジュースなどの高速充填ラインで使用されるラベルとして、耐湿性と透明性を兼ね備えたプラスチック素材ラベルが主流です。一方で、プレミアムブランドでは高級感を演出する紙素材が選ばれる傾向にあります。
パーソナルケア業界では、化粧品・ボディケア製品などに採用が拡大しており、デザイン性と環境対応の両立が求められています。食品・医薬品分野では、法規制対応やトレーサビリティ確保の観点から高品質印刷技術が重視され、リサイクル適合性の高いラベルが注目を集めています。
技術面では、インクジェット印刷やデジタル印刷機の進歩、ラベル素材の軽量化、再剥離技術の改良などが進んでいます。これらの技術革新が、生産効率とデザイン自由度の向上を同時に実現しています。
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地域別市場動向
地域別に見ると、北米および欧州は安定成長を続けています。北米では、大手飲料メーカーや食品メーカーによる自動化生産ラインへの投資が市場をけん引しています。欧州では、環境規制とサステナビリティ志向が高く、再生素材を使用したラベルやバイオプラスチック素材の採用が拡大しています。
アジア太平洋地域は、世界最大かつ最も成長が著しい市場です。特に中国は、旺盛な国内消費と産業支援政策、強力な製造基盤により市場をリードしています。日本や韓国、インドでも、パッケージデザインへの投資やブランド競争の激化を背景に需要が高まっています。
南米・中東・アフリカ地域でも、飲料産業の拡大とともに市場が形成されつつあります。特にブラジルやUAEでは、経済発展に伴う消費財市場の拡大が顕著であり、印刷・包装産業の近代化が進んでいます。
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市場分析の主要項目
本レポートでは、ラップアラウンドラベル市場を多角的に分析し、産業構造、技術革新、地域動向、競争状況を包括的に把握しています。
市場規模とセグメンテーション
市場はタイプ別と用途別に分類されています。タイプ別では、プラスチック素材が主流で、コスト効率と耐水性の高さから全体の過半を占めます。紙素材は高級感を求めるブランド製品向けに伸びており、金属素材は特殊用途や限定品向けとして採用が増えています。
用途別動向
用途別では、飲料分野が最大シェアを占め、ペットボトル飲料を中心に使用が集中しています。次いで、パーソナルケア、食品、医薬品分野での採用が広がっており、それぞれに適した素材・印刷技術が展開されています。
業界分析
政府のリサイクル促進政策や消費者の環境意識の高まりが市場成長を後押ししています。一方で、原材料価格の変動やリサイクル適合性に関する規制強化は課題となっています。これに対応するため、各社はサステナブルな素材開発や製造プロセスの最適化に注力しています。
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技術動向とイノベーション
技術面では、デジタル印刷の普及が進み、少量多品種生産やパーソナライズ需要に対応しています。高速印刷と高解像度の両立が可能となり、ブランドの差別化に貢献しています。さらに、再生PETベースのフィルムや生分解性素材の採用が進み、環境負荷を低減する取り組みが加速しています。
粘着技術やコーティング技術の進化も顕著であり、ラベルの剥離耐性・耐湿性・透明性が向上しています。また、スマートラベルやトレーサビリティ対応技術の導入により、商品の安全性・信頼性を高める動きも見られます。
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企業分析と競争環境
ラップアラウンドラベル市場は、グローバル大手企業と地域企業が混在する競争環境にあります。上位企業は技術革新力、供給ネットワーク、顧客対応力を強みとし、競争優位を築いています。主要企業は以下の通りです。
• Vintech Polymers
• Inland Packaging
• Roll on Labels
• Grip Tight Packaging
• Mondi Group
• Traco Manufacturing
• Avery Dennison
• Constantia Flexible Packaging
• Bemis
• Ameet Metaplast
• Fort Dearborn
• Tilak Polypack
• Westrock
• Kris Flexipacks
• Leading Edge Labels & Packaging
• Jasin Pack
• TCPL Packaging
• CPM Internacional
• Hammer Packaging, Corp.
• Prime Packaging
• Flexograf
これらの企業は、製品ポートフォリオの拡充、素材の多様化、印刷技術の進化により、飲料・化粧品・食品市場での競争力を強化しています。Avery DennisonやMondi Groupなどはサステナブル素材の開発を推進し、Fort DearbornやWestrockは高付加価値印刷ソリューションの展開で差別化を図っています。
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市場予測と機会
2030年に向けて、環境対応型素材の採用が一層進み、循環型経済に貢献するラベル需要が増加すると見込まれます。再生プラスチック素材、バイオベース紙、金属代替素材などが市場の主軸となるでしょう。飲料・食品市場ではブランド体験を重視した高品質デザインが重視され、個別カスタマイズ印刷の導入が加速します。
また、パーソナルケア・医薬品分野では、高透明度・高耐湿性を備えた安全性重視のラベルが求められ、スマートラベル化が進むと見られます。これにより、消費者とブランドのインタラクティブな関係が深化し、マーケティング手法の変革にもつながります。
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調査構成と手法
本レポートは全15章構成で、市場概要・企業分析・地域別動向・将来予測などを体系的にまとめています。第1章では市場範囲と基準年を定義し、第2章〜第3章では主要企業の売上・シェア・競争状況を分析。第4章以降では地域別・国別の販売動向と成長予測を提示しています。第12章ではポーターの五力分析により、業界構造・参入障壁・供給力・代替リスクを評価しています。第13章以降では、原材料供給網、販売チャネル、顧客構成、研究成果を包括的に整理しています。
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結論
ラップアラウンドラベル市場は、ブランド訴求と持続可能性を両立する次世代パッケージング技術として、今後も成長が続く見込みです。プラスチックから紙・金属素材への転換、環境適合型印刷技術の普及、そしてデジタル化による柔軟な製造対応が主要トレンドとなります。
アジア太平洋地域が成長を牽引する中、欧米企業は高付加価値製品と環境基準への対応力で存在感を維持しています。主要企業による技術革新とサステナブル素材開発が市場拡大の原動力となり、ラップアラウンドラベルは今後の包装産業の中核技術として重要な役割を果たしていくと考えられます。

目次
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1. 市場概要
• 1.1 製品概要およびラップアラウンドラベルの適用範囲
• 1.2 市場推計の前提・留意点と基準年
• 1.3 種類別の市場分析
o 1.3.1 概要：種類別の世界消費価値（2019年・2023年・2030年の比較）
o 1.3.2 プラスチック材料
o 1.3.3 紙材料
o 1.3.4 金属調材料
• 1.4 用途別の市場分析
o 1.4.1 概要：用途別の世界消費価値（2019年・2023年・2030年の比較）
o 1.4.2 飲料
o 1.4.3 パーソナルケア
o 1.4.4 食品
o 1.4.5 医薬品
o 1.4.6 その他
• 1.5 世界市場規模と予測
o 1.5.1 世界の消費価値（2019年・2023年・2030年）
o 1.5.2 世界の販売数量（2019〜2030年）
o 1.5.3 世界の平均価格（2019〜2030年）
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2. 主要メーカーのプロファイル
• 2.1 Vintech Polymers：企業情報／主要事業／ラップアラウンドラベルの製品・サービス／販売数量・平均価格・収益・粗利益率・市場シェア（2019〜2024年）／最近の動向
• 2.2 Inland Packaging：同構成
• 2.3 Roll on Labels：同構成
• 2.4 Grip Tight Packaging：同構成
• 2.5 Mondi Group：同構成
• 2.6 Traco Manufacturing：同構成
• 2.7 Avery Dennison：同構成
• 2.8 Constantia Flexible Packaging：同構成
• 2.9 Bemis：同構成
• 2.10 Ameet Metaplast：同構成
• 2.11 Fort Dearborn：同構成
• 2.12 Tilak Polypack：同構成
• 2.13 Westrock：同構成
• 2.14 Kris Flexipacks：同構成
• 2.15 Leading Edge labels & Packaging：同構成
• 2.16 Jasin Pack：同構成
• 2.17 TCPL Packaging：同構成
• 2.18 CPM Internacional：同構成
• 2.19 Hammer Packaging, Corp.：同構成
• 2.20 Prime Packaging：同構成
• 2.21 Flexograf：同構成
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3. 競争環境：メーカー別のラップアラウンドラベル市場
• 3.1 世界のメーカー別販売数量（2019〜2024年）
• 3.2 世界のメーカー別収益（2019〜2024年）
• 3.3 世界のメーカー別平均価格（2019〜2024年）
• 3.4 市場シェア分析（2023年）
o 3.4.1 メーカー別出荷額（百万通貨単位）と市場シェア（％）：2023年
o 3.4.2 上位3社の市場シェア（2023年）
o 3.4.3 上位6社の市場シェア（2023年）
• 3.5 企業フットプリントの総合分析
o 3.5.1 地域別フットプリント
o 3.5.2 企業の製品種類別フットプリント
o 3.5.3 企業の用途別フットプリント
• 3.6 新規参入動向と参入障壁
• 3.7 合併・買収・契約・協業の動向
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4. 地域別消費分析
• 4.1 地域別の世界市場規模
o 4.1.1 地域別販売数量（2019〜2030年）
o 4.1.2 地域別消費価値（2019〜2030年）
o 4.1.3 地域別平均価格（2019〜2030年）
• 4.2 北米の消費価値（2019〜2030年）
• 4.3 欧州の消費価値（2019〜2030年）
• 4.4 アジア太平洋の消費価値（2019〜2030年）
• 4.5 南米の消費価値（2019〜2030年）
• 4.6 中東・アフリカの消費価値（2019〜2030年）
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5. 種類別セグメント
• 5.1 種類別の世界販売数量（2019〜2030年）
• 5.2 種類別の世界消費価値（2019〜2030年）
• 5.3 種類別の世界平均価格（2019〜2030年）
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6. 用途別セグメント
• 6.1 用途別の世界販売数量（2019〜2030年）
• 6.2 用途別の世界消費価値（2019〜2030年）
• 6.3 用途別の世界平均価格（2019〜2030年）
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7. 北米
• 7.1 種類別の販売数量（2019〜2030年）
• 7.2 用途別の販売数量（2019〜2030年）
• 7.3 国別の市場規模
o 7.3.1 国別販売数量（2019〜2030年）
o 7.3.2 国別消費価値（2019〜2030年）
o 7.3.3 アメリカ合衆国の市場規模と予測（2019〜2030年）
o 7.3.4 カナダの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 7.3.5 メキシコの市場規模と予測（2019〜2030年）
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8. 欧州
• 8.1 種類別の販売数量（2019〜2030年）
• 8.2 用途別の販売数量（2019〜2030年）
• 8.3 国別の市場規模
o 8.3.1 国別販売数量（2019〜2030年）
o 8.3.2 国別消費価値（2019〜2030年）
o 8.3.3 ドイツの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 8.3.4 フランスの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 8.3.5 英国の市場規模と予測（2019〜2030年）
o 8.3.6 ロシアの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 8.3.7 イタリアの市場規模と予測（2019〜2030年）
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9. アジア太平洋
• 9.1 種類別の販売数量（2019〜2030年）
• 9.2 用途別の販売数量（2019〜2030年）
• 9.3 地域別の市場規模
o 9.3.1 地域別販売数量（2019〜2030年）
o 9.3.2 地域別消費価値（2019〜2030年）
o 9.3.3 中国の市場規模と予測（2019〜2030年）
o 9.3.4 日本の市場規模と予測（2019〜2030年）
o 9.3.5 韓国の市場規模と予測（2019〜2030年）
o 9.3.6 インドの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 9.3.7 東南アジアの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 9.3.8 オーストラリアの市場規模と予測（2019〜2030年）
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10. 南米
• 10.1 種類別の販売数量（2019〜2030年）
• 10.2 用途別の販売数量（2019〜2030年）
• 10.3 国別の市場規模
o 10.3.1 国別販売数量（2019〜2030年）
o 10.3.2 国別消費価値（2019〜2030年）
o 10.3.3 ブラジルの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 10.3.4 アルゼンチンの市場規模と予測（2019〜2030年）
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11. 中東・アフリカ
• 11.1 種類別の販売数量（2019〜2030年）
• 11.2 用途別の販売数量（2019〜2030年）
• 11.3 国別の市場規模
o 11.3.1 国別販売数量（2019〜2030年）
o 11.3.2 国別消費価値（2019〜2030年）
o 11.3.3 トルコの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 11.3.4 エジプトの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 11.3.5 サウジアラビアの市場規模と予測（2019〜2030年）
o 11.3.6 南アフリカの市場規模と予測（2019〜2030年）
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12. 市場ダイナミクス
• 12.1 成長要因（大量充填容器の普及、ブランド差別化ニーズ、軽量化・コスト最適化 など）
• 12.2 制約要因（原材料価格の変動、環境規制、代替包装の台頭 など）
• 12.3 トレンド分析（再生素材・単一素材化、耐水・耐擦過性の高度化、デジタル印刷の拡大 など）
• 12.4 ポーターの五力分析
o 12.4.1 新規参入の脅威
o 12.4.2 供給者の交渉力
o 12.4.3 購買者の交渉力
o 12.4.4 代替品の脅威
o 12.4.5 業界内競争の激しさ
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13. 原材料と産業チェーン
• 13.1 主な原材料と主要メーカー（フィルム、粘着剤、インキ、剥離材 など）
• 13.2 製造コストの構成比
• 13.3 生産プロセス（印刷・ラミネート・打抜き・検査の概要）
• 13.4 産業チェーン（上流・中流・下流の構造）
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14. 流通チャネル別出荷
• 14.1 販売チャネル
o 14.1.1 最終顧客への直販
o 14.1.2 代理店・流通業者経由
• 14.2 代表的な流通業者
• 14.3 代表的な顧客層（飲料・食品・パーソナルケア・医薬品メーカー など）
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15. 調査結果と結論
• 主要知見の要約、実務への示唆、今後の市場見通しと課題の整理。
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16. 付録
• 16.1 調査手法
• 16.2 研究プロセスとデータソース
• 16.3 免責事項

【ラップアラウンドラベルについて】

ラップアラウンドラベルは、主に飲料ボトルや食品容器などの円筒形パッケージに使用されるラベルで、容器の外周をぐるりと一周するように巻き付けて貼付されるタイプの包装用ラベルです。一般的にはフィルム状の素材を使用し、ボトル全体を覆うことで製品情報やデザインを広い面積に印刷できるのが特徴です。透明または不透明のフィルムを用いることで、製品の外観やブランドイメージを効果的に演出できるため、清涼飲料、ミネラルウォーター、乳製品、調味料、化粧品など幅広い分野で利用されています。

ラップアラウンドラベルの特徴は、まずその高いコスト効率にあります。シールラベルやシュリンクラベルと比較して、薄くて軽量なフィルムを使用するため、材料コストを抑えられ、ラベリングスピードも高速で大量生産に適しています。また、接着剤を部分的に使用して巻き付ける方式が多く、リサイクル時の分別が容易で環境負荷が低いという利点もあります。印刷面積が広いため、商品名、ブランドロゴ、成分表示、バーコード、プロモーション情報などを一体的にデザインでき、視認性とデザイン性の両立が可能です。さらに、耐水性・耐摩耗性に優れた素材を選ぶことで、冷蔵・冷凍環境や輸送中の結露にも強く、製品の品質表示を長期間保持できます。

素材としては、主にポリプロピレン（OPP、BOPP）、ポリエチレン（PE）、ポリエステル（PET）などのフィルムが使用されます。これらの素材は柔軟性と透明性に優れ、印刷適性が高いため、グラビア印刷やフレキソ印刷、デジタル印刷など多様な印刷方式に対応します。光沢のあるグロス仕上げや落ち着いたマット仕上げ、さらにはメタリック効果を持つラミネート仕様など、用途やブランドイメージに合わせた加工が可能です。また、耐熱性を持つフィルムを使用することで、ホットフィル製品や殺菌工程を伴う飲料製造ラインにも適用できます。

ラップアラウンドラベルの種類には、「ホットメルト方式」「プレッシャーセンシティブ方式」「熱収縮併用タイプ」などがあります。ホットメルト方式は、加熱された接着剤でラベルの端部を固定する最も一般的な方法で、高速ラベラーでの大量処理に向いています。プレッシャーセンシティブ方式は、自己粘着型フィルムを用いて圧着する方法で、設備の簡略化や小ロット生産に適しています。また、一部の製品ではラップアラウンドラベルに軽い収縮特性を持たせ、より密着性を高めるタイプもあります。

用途としては、主にペットボトルや缶飲料、乳飲料、調味料容器、洗剤ボトルなどに使用されます。特に炭酸飲料やミネラルウォーターなど、大量生産が求められる製品で多く採用されています。透明フィルムを使用した“ノーラベルデザイン”では、ボトル内部の商品が透けて見えるため、高級感や清涼感を演出できます。また、環境対応の観点からは、再生可能素材やモノマテリアル構造（同一素材構成）のラベルが開発され、リサイクル適性を高める取り組みも進められています。

ラップアラウンドラベルは、デザイン性・経済性・生産効率を兼ね備えた包装ソリューションとして、食品・飲料業界を中心に重要な役割を果たしています。今後は、サステナブル素材やスマートパッケージング技術との融合により、より環境に優しく、機能性の高い次世代ラベルとして発展していくことが期待されています。