世界のコバルト市場2025-2030：電池、合金、触媒、工具材料、その他
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コバルト市場規模は、2025年に226.74キロトン、2030年には262.86キロトンに達すると予測され、予測期間中（2025-2030年）の年平均成長率は3%以上。
COVID-19パンデミックはコバルト市場にマイナスの影響を与えました。コバルトの採掘、加工、輸送活動が中断され、コバルト原料や中間製品の入手に影響が出ました。しかし、操業停止が解除されるにつれて、コバルトベースの製品の主要な消費者である自動車、電子、航空宇宙を含む産業全体で経済活動が徐々に再開されました。市場の回復を牽引したのは、コバルト製品の需要増でした。
充電式電池におけるコバルトの広範な使用と、高速切削工具の生産における使用量の増加が、コバルト市場を牽引しています。
しかし、鉱床からコバルトを抽出するために必要な集中的な精製プロセスが、コバルト市場の成長を妨げる可能性が高い。
加えて、環境に優しいリサイクルコバルトの商業化や再生可能エネルギーへの需要の高まりにより、今後数年でコバルト市場にビジネスチャンスが生まれると予想されます。
予測期間中、アジア太平洋地域がコバルト市場を支配する見込み。
市場を支配すると予想される電池セグメント
- リチウムイオン電池は、電気自動車（EV）の重要な部品であり、自動車の電気モーターに電力を供給します。コバルトは、電池の性能、安定性、エネルギー密度を向上させる能力があるため、EVに使用されるリチウムイオン電池の正極製剤において重要な成分です。
- 環境規制、政府のインセンティブ、よりクリーンな交通手段を求める消費者の嗜好により、世界中で電気自動車の導入が増加しているため、自動車セクターにおけるコバルトの需要が急増しています。
- EVの台数で見ると、2023年には1,420万台のバッテリー電気自動車（BEV）とプラグインハイブリッド電気自動車（PHEV）が新たに納入されます。
- 欧州自動車工業会が発表した推計によると、2023年2月、ヨーロッパで最も普及している電気自動車の種類はバッテリー電気自動車で、電気自動車販売全体の63.7%以上を占めています。2022年第4四半期のBEV販売台数は572,400台で、過去最高を記録しました。
- コバルト含有リチウムイオン電池は、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、ウェアラブル機器などの電子機器に広く使用されています。これらの電池は、高いエネルギー密度、長いサイクル寿命、急速充電機能を備えており、携帯電子機器に最適です。
- 民生用電子機器の普及とデジタル化、接続性、モビリティの増加傾向は、民生用電子機器セグメントにおけるコバルトの需要を促進しています。
- ZVEIによると、2022年、ドイツでは古典的な家電製品、個人使用のIT製品、電気通信で約307億ユーロの売上がありました。ヨーロッパの総売上高は約1,870億ユーロに達します。
- 今後数年間、コバルト市場を牽引すると思われる電池需要は、電気自動車の増加や発展途上国における電子装置の利用拡大が原動力。
アジア太平洋地域が市場を支配する見込み
- アジア太平洋地域は、電気自動車（EV）、電子機器、エネルギー貯蔵システムの需要増加により、世界のバッテリー生産をリードしています。中国、日本、韓国はリチウムイオン電池の最大生産国のひとつであり、コバルトの重要な消費国でもあります。これらの国々は、電池製造能力、研究開発、技術革新に多額の投資を行っており、コバルト市場における地位を強化しています。
- アジア太平洋地域は世界の電気自動車市場で最大のシェアを占めており、中でも中国は世界最大のEV市場です。同地域では、排出ガスの削減、大気の質の改善、持続可能な輸送用燃料の推進に取り組んでおり、電気自動車用電池のコバルト需要が増加すると予想されます。この地域での電気自動車の採用は、政府のインセンティブ、補助金、EVモビリティを優遇する規制によって後押しされ、コバルト電池パックの需要を促進しています。
- 中国は電気自動車の生産・消費量が最も多く、世界市場の約半分を占めています。中国汽車工業協会（CAAM）によると、2022年の中国の新エネルギー車全体の生産台数は約700万台。前年の自動車生産台数が354万台であったことと比較すると、97％近い著しい伸びです。
- アジア太平洋地域は、リチウムイオン電池を搭載したスマートフォン、ノートパソコン、タブレット、その他の電子装置の需要が高い、主要な家電市場です。アジア太平洋地域の国々は家電製品の重要な生産国であり、電池生産におけるコバルトの需要を促進しています。民生用電子機器の成長とコバルトの需要は、この地域の人口の多さ、可処分所得の増加、技術の進歩が原動力となっています。
- India Brand Equity Foundation (IBEF)が発表した推計によると、2023年4月から11月までの同国の電子機器輸出は13.8%増加し、過去6年間で最高となりました。インドは、2026年までに3,000億米ドル相当の電子機器生産を達成することを目指しており、堅調な成長と輸出額は1,200億米ドルに達します。
- 上記のような産業の成長に伴いコバルトの需要も増加の一途をたどっており、アジア太平洋地域は世界のコバルト市場において主導的地位を維持すると予想されます。
コバルト産業概要
コバルト市場は部分的に統合されており、少数のプレーヤーが市場シェアの大半を占めています。主な市場プレーヤーは、Glencore、Vale、Eurasian Resources Group、Gécamines SA、CMOCなど。
コバルト市場ニュース
- 2023年11月 グレンコアはTeck Resources Limitedと、Teckの製鉄用石炭事業Elk Valley Resourcesの全実効権益77％の取得に関する契約を締結。買収額は69.3億米ドル。
- 2022年4月：グレンコアとゼネラルモーターズは、複数年にわたる調達契約を発表。グレンコアがオーストラリアのMurrin事業所からGMにコバルトを供給。また、オーストラリアで加工されたコバルトは、GMのUltium電池正極に使用され、Chevrolet Silverado EV、GMC HUMMER EV、Cadillac LYRIQなどの電気自動車に搭載される予定。
- 2022年3月：MMGは、コンゴ民主共和国（DRC）のキンセベレ鉱区の操業期間を少なくとも13年延長するため、5億～6億米ドルを投資して同鉱区を拡張すると発表。MMGは、この拡張プロジェクトにより、銅カソードの生産量が最大80,000トン/年、コバルトの水酸化コバルトの生産量が4,000～6,000トン/年に増加すると見込んでいます。
1. はじめに
- 1.1 調査の前提
- 1.2 調査範囲
2. 調査方法
3. 要旨
4. 市場ダイナミクス
- 4.1 推進要因
- 4.1.1 二次電池製造における幅広い用途
- 4.1.2 高速切削工具製造における用途の増加
- 4.2 抑制要因
- 4.2.1 鉱床からの抽出に必要な大規模な精製プロセス
- 4.2.2 その他の制約
- 4.3 産業バリューチェーン分析
- 4.4 ポーターのファイブフォース分析
- 4.4.1 サプライヤーの交渉力
- 4.4.2 買い手の交渉力
- 4.4.3 新規参入者の脅威
- 4.4.4 代替製品・サービスの脅威
- 4.4.5 競争の程度
- 4.5 価格動向
5. 市場セグメント（市場規模（数量ベース）
- 5.1 形状
- 5.1.1 化合物
- 5.1.2 金属
- 5.1.3 購入スクラップ
- 5.2 用途
- 5.2.1 電池
- 5.2.2 合金
- 5.2.3 触媒
- 5.2.4 工具材料
- 5.2.5 磁石
- 5.2.6 セラミックスと顔料
- 5.2.7 その他の用途
- 5.3 地理
- 5.3.1 生産分析
- 5.3.1.1 オーストラリア
- 5.3.1.2 カナダ
- 5.3.1.3 中国
- 5.3.1.4 コンゴ
- 5.3.1.5 キューバ
- 5.3.1.6 インド
- 5.3.1.7 インドネシア
- 5.3.1.8 マダガスカル
- 5.3.1.9 モロッコ
- 5.3.1.10 パプアニューギニア
- 5.3.1.11 フィリピン
- 5.3.1.12 ロシア
- 5.3.1.13 米国
- 5.3.1.14 その他の地域
- 5.3.2 消費分析
- 5.3.2.1 アジア太平洋地域
- 5.3.2.1.1 中国
- 5.3.2.1.2 インド
- 5.3.2.1.3 日本
- 5.3.2.1.4 韓国
- 5.3.2.1.5 その他のアジア太平洋地域
- 5.3.2.2 北米
- 5.3.2.2.1 米国
- 5.3.2.2.2 カナダ
- 5.3.2.2.3 メキシコ
- 5.3.2.3 ヨーロッパ
- 5.3.2.3.1 ドイツ
- 5.3.2.3.2 イギリス
- 5.3.2.3.3 イタリア
- 5.3.2.3.4 フランス
- 5.3.2.3.5 その他のヨーロッパ
- 5.3.2.4 その他の地域
- 5.3.2.4.1 南米
- 5.3.2.4.2 中東およびアフリカ
6. 競争環境
- 6.1 M&A、合弁事業、提携、協定
- 6.2 市場シェア（%）**/ランキング分析
- 6.3 主要企業の戦略
- 6.4 企業プロフィール
-
- 6.4.1 BHP
- 6.4.2 CMOC
- 6.4.3 Cobalt Blue Holdings Limited
- 6.4.4 Eramet
- 6.4.5 Eurasian Resources Group
- 6.4.6 Gécamines SA
- 6.4.7 Glencore
- 6.4.8 Huayou Cobalt Co. Ltd
- 6.4.9 Jervois
- 6.4.10 Jinchuan Group International Resources Co. Ltd
- 6.4.11 Panoramic Resources
- 6.4.12 Sherritt International Corporation
- 6.4.13 Umicore NV
- 6.4.14 Vale
- 6.4.15 Wheaton Precious Metals Corp
-
- *リストは網羅的ではありません
7. 市場機会と今後の動向
- 7.1 環境に優しいリサイクル可能なコバルトの商業化
コバルトの産業区分
コバルトの化学記号はCo、原子番号は27。周期表の遷移金属グループに属する、硬質で光沢のある銀灰色の金属です。コバルトは地殻中にコバルト鉱、エリスライト鉱、スマルタイト鉱などの鉱石として一般的に存在し、しばしばニッケル、銅、ヒ素などの他の金属と関連しています。
コバルト市場は、形態、製品種類、用途、地域によって区分されます。形態別では、市場は化合物、金属、購入スクラップに区分されます。用途別では、電池、合金、触媒、工具材料、磁石、セラミックス、顔料、その他の用途（医療装置）に細分化。また、主要地域11カ国のコバルト市場規模および予測も掲載。各セグメントについて、市場規模および予測は数量（トン）に基づいて作成されています。
コバルト市場に関する調査FAQ
コバルト市場の規模は？
コバルト市場規模は、2025年には226.74キロトンに達し、年平均成長率（CAGR）3%以上で成長し、2030年には262.86キロトンに達すると予測されています。
現在のコバルト市場規模は？
2025年のコバルト市場規模は226.74キロトンに達する見込みです。
コバルト市場の主要プレーヤーは？
Glencore、CMOC、Gécamines SA、Eurasian Resources Group、Valeがコバルト市場の主要企業です。
コバルト市場で最も急成長している地域はどこですか？
アジア太平洋地域が予測期間（2025-2030年）に最も高いCAGRで成長すると推定されます。
コバルト市場で最大のシェアを持つ地域は？
2025年、アジア太平洋地域がコバルト市場で最大のシェアを占めます。
コバルト市場の対象年、2024年の市場規模は？
2024年のコバルト市場規模は219.94キロトンと推定されます。本レポートでは、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年のコバルト市場の過去の市場規模を対象としています。また、2025年、2026年、2027年、2028年、2029年、2030年のコバルト市場規模を予測しています。
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